2025年08月18日
圧巻の伝統行事!吉田の火祭り2025 開催場所・歴史・見どころ完全ガイド
富士山の麓で毎年8月に行われる、日本三大奇祭の一つ「吉田の火祭り」。2025年の開催日程や時間、主要な開催場所、電車・バス・車でのアクセス方法まで、お祭りの観覧に役立つ情報をお伝えします。なぜ、このお祭りが「日本三大奇祭」と呼ばれるのか、その歴史や富士山信仰との深い結びつき、そして圧巻の巨大松明や神輿渡御といった見どころを解説します。お祭りを満喫するための注意点や、周辺観光スポットもご紹介します。
吉田の火祭りとは 日本三大奇祭のひとつ!
富士山の鎮火を願う伝統行事
吉田の火祭りは、富士山の噴火を鎮め、その恵みに感謝する伝統的なお祭りです。毎年夏、富士山の山じまいの時期に行われ、富士山信仰と深く結びついています。古くから富士山の神様へ火の力で鎮火を願う「鎮火祭」として受け継がれてきました。街中に燃え盛る炎は、富士山の噴火を鎮める火伏せの願いが込められています。
お祭りの正式名称と開催時期
このお祭りは、正式には「鎮火祭(ちんかさい)」と呼ばれ、富士山の山じまいを告げる意味も持つ重要なお祭りです。また、一般的には「吉田の火祭り」として親しまれ、近年では、27日のみ「すすき祭り」とも呼ばれています。開催は毎年8月26日と27日の二日間にわたって行われます。
吉田の火祭り2025 開催概要と日程
毎年、夏の終わりを告げる吉田の火祭りは、2025年も例年通り開催されます。富士山の鎮火を願うこの壮大なお祭りの日程や主な開催場所、そして当日の流れをご紹介します。
2025年の開催日程と時間
吉田の火祭りは、毎年8月26日と27日の2日間にわたって行われます。26日が「宵祭り」、27日が「本祭り」と呼ばれ、それぞれ異なる趣きがあります。
2025年8月26日(火) 宵祭り
14:30|北口本宮冨士浅間神社、諏訪神社にて神事
17:00|神輿渡御 (明神神輿と御山神輿)
18:30|御旅所着輿(上吉田コミュニティセンター)
松明点火(神輿到着次第)
22:00|大松明撤収開始
2025年8月27日(水) 本祭り
13:15|御旅所にて神事(上吉田コミュニティセンター)
14:00|神輿発輿(明神神輿と御山神輿)
15:30|金鳥居祭
18:00|御鞍石祭
19:00|北口本宮冨士浅間神社にて神事
お祭りの詳細な時間については、年によって多少の変更がある場合もございますので、お出かけの際は、事前に公式情報をご確認いただくことをおすすめします。
最新の情報は、富士吉田市観光ガイドや北口本宮冨士浅間神社公式サイトなどで確認できます。
(参考:富士吉田市観光ガイド)
主な開催場所とエリア
吉田の火祭りは、北口本宮冨士浅間神社を中心に、富士吉田市上吉田本町通り(国道139号沿い)、富士吉田市上吉田の市街地全体がお祭りの舞台となります。
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- 北口本宮冨士浅間神社
お祭りの発祥の地であり、神事や神輿の奉安・還御が行われます。
- 北口本宮冨士浅間神社
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- 富士吉田市上吉田本町通り(国道139号沿い)
多数の大松明が立ち並び、炎が夜空を焦がすお祭りの中心地です。神輿の巡行もこの通りを中心に繰り広げられます。
- 富士吉田市上吉田本町通り(国道139号沿い)
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- 富士吉田市上吉田の市街地
小松明が各家庭の軒先に飾られ、街全体が炎の祭典に包まれます。
- 富士吉田市上吉田の市街地
特に本町通りは、お祭りの見どころが集中する場所のため、大変な賑わいを見せます。
お祭りのスケジュールと流れ
2日間にわたる吉田の火祭りの主な流れをご紹介します。それぞれの日に異なる魅力があり、お祭りの奥深さを感じられます。
8月26日:宵祭り(鎮火大祭)
この日は、お祭りのクライマックスである大松明への点火が最大のハイライトです。夕方になると、北口本宮冨士浅間神社で神事が行われ、神輿が奉安されます。日が暮れ始める頃、本町通りに設置された高さ3メートルにもなる大松明や、各家庭の軒先に立てられた小松明に一斉に火が灯されます。燃え盛る炎の中、神輿が勇壮に氏子地域を巡行し、街全体が幻想的な雰囲気に包まれます。
8月27日:本祭り(すすき祭り)
この日は、子ども神輿を含む全神輿が町へ繰り出し、金鳥居や御鞍石でお祭りが行われ、夕方まで氏子地域を練り歩きます。富士吉田駅前では富士山の安全、金鳥居では氏子の平穏を祈願。夜には北口本宮冨士浅間神社および諏訪神社でクライマックスを迎え、「高天原」を回る熱気あふれる神事が催されます。参加者はすすきの玉串を持ち、安産・子授・無病息災を祈る風習があり、「すすき祭り」とも呼ばれ、女性や子どもも多く参加します。
吉田の火祭り 開催場所へのアクセスガイド
吉田の火祭りは、北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社周辺から富士吉田市街地にかけて広範囲で開催されます。お祭りの熱気を肌で感じるために、事前にアクセス方法を確認しておきましょう。
電車とバスでのアクセス方法
周辺は交通規制もあるため、公共交通機関を利用して訪れるのが、混雑を避けるためにもおすすめの方法です。
最寄りの駅とバス停
電車でお越しの場合は、富士急行線の富士山駅が最寄り駅です。駅から会場までは徒歩圏内ですが、お祭りの見学ルートによってはバスの利用も便利です。
交通手段 | 最寄り駅/バス停 | 備考 |
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電車 | 富士急行線 富士山駅 | お祭り会場の中心地まで徒歩約10~15分 お祭り開催日には臨時列車が運行されます (臨時列車情報・出典:富士急行線) |
バス | 富士山駅前バス停 | お祭り開催日には迂回運転になります (迂回運転情報・出典:富士急バス株式会社) |
公共交通機関の混雑対策
お祭りの当日は、富士山駅や周辺の公共交通機関が大変混み合います。特に夕方から夜にかけては、多くの来場者が集中します。時間に余裕を持って行動することをおすすめします。帰りの切符は事前に購入しておくなど、スムーズな移動を心がけましょう。
車でのアクセスと駐車場情報
吉田の火祭り当日は、会場周辺で大規模な交通規制が実施されます。車での来場は極めて困難なため、公共交通機関の利用がおすすめです。車で来県の場合は、遠方の駐車場に停めて公共交通機関を利用する「パーク&ライド」も有効な選択肢です。
周辺の駐車場
交通規制の外エリア周辺には、いくつかの臨時駐車場が設けられます。臨時駐車場の場所は、下記リンク交通規制図に案内があります。
交通規制と迂回路
お祭りの時間帯には、国道139号線をはじめとする富士吉田市街地の広範囲で交通規制が行われます。規制区間内への車両の乗り入れはできません。規制情報は事前に富士吉田市観光ガイドの情報で確認し、迂回路を把握しておきましょう。
令和7年8月26日(火)吉田の火祭り 交通規制図
令和7年8月27日(水)すすき祭り 交通規制図
(交通規制図・出典:富士吉田市観光ガイド)
吉田の火祭り 歴史と由来を深掘り
吉田の火祭りは、富士山麓の神社で古くから受け継がれてきた、地域の深い信仰と歴史が息づくお祭りです。その起源を知ることで、お祭りの持つ意味をより深く感じることができます。
お祭りの起源 富士山信仰と鎮火祭
吉田の火祭りは、富士山の噴火を鎮めるための「鎮火祭」として始まりました。富士山は古くから信仰の対象であり、その恵みをもたらす一方で、時に噴火という災害をもたらす恐ろしい存在でもありました。人々は、富士山の怒りを鎮め、平穏を願うために、火を灯し、祈りを捧げてきたのです。
特に、富士山吉田口登山道の起点である北口本宮冨士浅間神社で行われるこのお祭りは、富士山信仰の中心地で営まれてきた歴史を持ちます。毎年、夏山シーズンの終わりを告げるこのお祭りは、登山者の安全祈願と、富士山の神様である木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)へ感謝する意味も込められていると言われています。
吉田の火祭りが「日本三大奇祭」と呼ばれる理由
吉田の火祭りが「日本三大奇祭」の一つに数えられるのは、その圧倒的な規模と、炎が街中を埋め尽くす独特の光景にあります。
このお祭りの最大の特徴は、高さ約3mの100本近い大松明が、北口本宮冨士浅間神社から金鳥居付近までの約2kmにわたる街道沿いに立てられ、一斉に点火されることにあります。夜の闇を焦がす炎の帯は、まさに圧巻の一言。その勇壮さと、街全体が炎に包まれるような非日常的な光景が、「奇祭」と呼ばれる所以となっています。
時代と共に受け継がれる伝統と意味
吉田の火祭りは、時代が移り変わっても、その伝統と意味を大切に守り続けてきました。地域の人々にとって、このお祭りは富士山と共に生きる精神的な支柱であり、次世代へと受け継ぐべき大切な文化です。
お祭りの準備には、地域住民が総出で関わり、大松明の制作から神輿の準備まで、多くの手間と時間をかけて行われます。富士山の恵みに感謝し、その安全を願う気持ちは変わることなく、この炎の祭典を通じて、多くの人々に感動と祈りを届け続けています。
吉田の火祭り 見どころ解説! 圧巻の炎の祭典
出典:さかおりさん|Yoshida Fire Festival, Mt.Fuji and Kanadorii|CC by-sa
吉田の火祭りは、富士山の恵みに感謝し、その鎮火を願う伝統が織りなす、迫力満点の炎の祭典です。夜空を焦がす炎と、勇壮な神輿が一体となり、訪れる人々を魅了します。ここでは、お祭りの主な見どころをご紹介します。
神輿渡御の迫力と勇壮さ
大松明の点灯
吉田の火祭りを象徴するのが、高さ約3メートルもある大松明です。お祭り当日、神輿が御旅所に奉安されると、世話人たちが御旅所前に立つ約3.3メートルの特大松明に火を灯します。その後、通り沿いの大松明や各家々に用意された松明へと次々に火が灯されます。そして、上吉田の通りに南北へと延びる壮大な火の帯が浮かび上がります。神輿の到着を祝い、隣の神楽殿では厳かな太々神楽(だいだいかぐら)が舞われます。燃え盛る炎が夜空を赤く染め、街全体を幻想的な光で包み込む光景はまさに圧巻です。
屋台グルメでお祭りを楽しむ
お祭りの期間中、会場周辺には数多くの屋台が立ち並び、賑やかな雰囲気を一層盛り上げます。地元の名物や定番のお祭りフードなど、さまざまなグルメを楽しむことができます。お祭りの熱気を感じながら、食べ歩きをするのも吉田の火祭りの楽しみ方の一つです。
吉田の火祭りを満喫するための注意点
混雑する時間帯
吉田の火祭りは、多くの人で賑わうお祭りです。特に宵祭りの神輿が御旅所へ奉安される頃から大松明に点火の瞬間は、お祭りのクライマックスになりますので、8月26日夕方から夜にかけては、北口本宮冨士浅間神社周辺や市街地のメインストリートが大変混み合います。
大松明への点火は夕方以降に行われ、夜が深まるにつれてお祭りの熱気は最高潮に達しますので、交通規制が始まる前に到着し、お祭りが終わるまで会場に留まることで、スムーズに移動できることもあります。
また、人が集中して混雑しているお祭り会場周辺では、携帯電話がつながらない状態も想定されます。ご家族や友人と待ち合わせをする場合は、事前に場所や時間を決めておくことがおすすめです!
おすすめの服装
夏の終わりとはいえ、富士吉田市は標高が高いため、当日の天候によっては夜間に肌寒く感じることもあります。快適にお祭りを楽しむために、適切な服装と持ち物を用意しましょう。
夜間の冷え込みや火の粉対策
日中は暑くても、天候によっては、夕方から夜にかけて気温が下がることもあります。松明の炎が燃え盛る場所では熱気を感じますが、風が吹くと冷え込むこともあります。また、松明から火の粉も飛んできますので、肌を守るためにも、薄手の長袖シャツやカーディガン、パーカーなど、すぐに羽織れるものを持参すると安心です。(火の粉で服に穴が開いてしまう可能性もあるので、選ぶ服には注意が必要です)
歩きやすい靴の選び方
お祭り会場は広範囲にわたり、石畳やアスファルトの上を長時間歩くことになります。また、人混みの中を進む場面も多いため、履き慣れたスニーカーやフラットシューズなど、歩きやすい靴を選ぶことが大切です。サンダルやヒールの高い靴は避けましょう。
写真撮影のポイントとマナー
炎が夜空を焦がす吉田の火祭りは、写真映えする場面がたくさんあります。しかし、他の方への配慮も忘れずに、思い出に残る写真を撮影しましょう。
炎を美しく撮るコツ
夜間の撮影になるため、ISO感度を上げてシャッタースピードを速めに設定すると、炎の動きをブレずに捉えられます。フラッシュを使うと炎の迫力が伝わりにくくなるため、基本的にはオフにするのがおすすめです。大松明の炎や神輿の熱気を、ぜひ写真に収めてみてください。
混雑時の撮影マナー
人混みの中での三脚の使用は、通行の妨げになるため避けましょう。また、他の見物客の視界を遮らないよう、立ち止まっての長時間の撮影や、高い位置からの撮影は控えるようにしましょう。お祭りは神聖な行事でもありますので、神輿の渡御など、特に厳粛な場面では、敬意を払った行動を心がけましょう。
周辺観光スポットとの組み合わせ
吉田の火祭りの前後で、富士吉田市やその周辺の魅力をさらに楽しむことができます。
お祭り前後に訪れたい場所
火祭りの会場となる北口本宮冨士浅間神社は、富士山信仰の中心地として知られています。お祭り見学の前に、神社の厳かな雰囲気を感じてみるのも良いでしょう。また、富士五湖(河口湖、山中湖など)や忍野八海など、富士山周辺には自然豊かな観光スポットがたくさんあります。お祭りとは異なる富士山の表情を楽しむことができます。
新倉山浅間公園
「新倉山浅間公園」は、富士吉田市にある朱色の五重塔(忠霊塔)と富士山を一緒に眺めることのできる展望スポットです。この景色は、日本の美を凝縮したかのような構図として、国内外から多くの観光客や写真家を惹きつけています。展望デッキまでの道のりは少し大変ですが、階段を上りきった先に広がる景色は、苦労を忘れるほどの感動を与えてくれます。桜の季節が一番人気のスポットですが、春以外も日本らしい景色を楽しみたい方にはおすすめの場所です。
富士大石ハナテラス
お祭り前のお土産選びスポットにおすすめ!「富士大石ハナテラス」には、山梨の恵みを生かしたお店が多くあります。
HanaCafe Kikyou
山梨を代表する銘菓、桔梗信玄餅を扱う桔梗屋の直営店。定番の信玄餅はもちろん、“桔梗信玄餅アイス”や“桔梗信玄生プリン”なども購入できます。
葡萄屋kofu ハナテラスcafé
果物王国山梨ならではのフルーツ加工品専門店。山梨県産のブドウを贅沢に使ったレーズンサンドが人気。複数のフレーバーがあり、1個から購入できるので、味比べをするのも楽しいです。シーズンには旬のフルーツを使ったパフェも楽しめます。
富士桜工房
富士北麓地域の伝統産業である郡内織物を使った、ネクタイやストール、ハンカチなど、富士山や桜柄の美しい織物製品を取り扱っています。特別な方へのギフトにおすすめです。
めでたや
山梨県市川三郷町の伝統産業である和紙の小物など、日本の伝統的な雑貨を扱うお店です。富士山や四季のモチーフを取り入れた、縁起の良いデザインの商品が豊富に揃います。
□〇堂 富士大石
店内はアンティークな雰囲気に包まれ、天然石やガラスなど多彩な素材を使ったアクセサリーや雑貨が並びます。水晶加工で栄えた山梨では、今も水晶が人気。可愛らしいガラス製のねこ玉やいぬ玉をはじめ、ガラスや天然石を使ったアクセサリーが豊富に揃い、雑貨やパワーストーンも楽しめます。
富士大石ハナテラスの施設内からは、壮大な富士山の絶景を眺めることもできますので、山梨の美味しいものや伝統工芸品のお土産選びに、ぜひ、お立ち寄りください!
宿泊施設と早めの予約
吉田の火祭りの開催時期は、富士吉田市内や河口湖周辺の宿泊施設が大変混み合います。特にお祭りの本番である8月26日、27日に宿泊を考えている場合は、早めの予約をおすすめします。周辺のホテルや旅館、民宿などを事前に確認し、計画的に手配しましょう。
まとめ
吉田の火祭りは、富士山への感謝と鎮火を願う、歴史ある伝統行事です。日本三大奇祭の一つとして知られ、夜空を焦がす大松明や勇壮な神輿渡御は、訪れる人々を圧倒します。このお祭りは、古くから受け継がれてきた富士山信仰の心を今に伝える貴重な文化遺産です。ご紹介したアクセスや見どころ、注意点を参考に、ぜひ一度、この壮大な炎の祭典に足を運び、その迫力と感動を体験してみてください。